平成25年5月25日(土)16:00より、広島大学医学部第四講義室にて広島県支部専門医会・細胞検査士会合同講演会が行われました。
JA尾道総合病院消化器内科の花田敬士先生を招き、膵癌早期診断における内視鏡検査の役割』-膵液細胞診の役割を中心に-と題してご講演いただきました。一般的に予後不良とされる膵癌の死亡者数が増加する中、腫瘍径が1cm以下の浸潤性膵管癌の5年生存率は80%と提示されました。現在、尾道総合病院内視鏡検査センターでは、早期診断を目的に、超音波内視鏡(EUS) における主膵管の狭窄と分枝拡張及び膵嚢胞の合併が重要な所見と説明されました。更に内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENBD) 留置の6回連続膵液での細胞診が診断に重要と検査意義を示されました。現在、尾道市医師会及び中核病院と連携した膵がん早期診断プロジェクトに取り組まれています。臨床的な所見と細胞診検査の取り組み方、病理組織所見と非常に参考になる講演内容でした。
続いてJA尾道総合病院病理研究検査科 佐々木健司技師により『膵液細胞診における上皮内癌の細胞像について』説明されました。ENPD留置膵液では、アルブミンを混和して標本作製を行う。できるだけ細胞回収を行うように標本作製を実施する。特にENPDを用いた継時的に提出される膵液細胞像では、同一患者であっても背景が様々であること。上皮内癌の出現細胞は小型の集塊である。悪性徴は、核所見を重視する。核不整よりも、核の3倍以上の大小不同。集塊内での核クロマチンの相違、核小体周囲のハロー所見など詳細な観察が重要であると強調されました。
講演後も闊達な質疑応答があり、大変刺激的な講演会でした。
平成25年9月6-7日 尾道
第59回日本消化器画像診断研究会
パンキャンジャパン(Pancreatic Cancer Action Network)
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