平成27年5月31日(日) 広島大学病院臨床講義棟
第五講義室にて、平成27年度広島検査士会総会
(第170回細胞診研修会)が開催されました。
例年より早く11時半からの開始となりました。
まず済生会呉病院の有谿俊一技師による
「Romanowsky染色への想いから、論文への道のり」と
題して講演が行われました。
広島県細胞検査士会の精度管理委員会として行ったRomanowsky染色が各施設でどのように行われている
のかを調べたことが発端でした。
染色性を客観視するため、有谿さんが試行錯誤され、
行きついたのがphotoshop Labモードを使い、可視化す
ることでした。
論文作成に至るまでのエピソードを交えつつ、楽しくお話してくださいました。
その論文が、日本検査血液学会学術賞を受賞されました。
おめでとうございます!!
続いて福山臨床検査センター 青木潤 技師より
「日本臨床細胞学会の公益社団法人化と細胞検査士」と
題して講演していただきました。
日本臨床細胞学会の総務委員長及び役員の1人として、これまで関わってこられ、公益社団法人化に至る経緯と我々細胞検査士の置かれている立場を論理的に考察された内容でした。、これからの細胞検査士の社会的立場を確立するために、学術的あるいは社会活動を、展開することの重要性を頑張ることの重要性を考えさせられる講演でした。
総会では事業報告や決算報告等の後、
新人紹介
新入会の方たちです
一言ずつ意気込みを語っていただきました。
定年会員紹介
本年は広島共立病院 青崎順之技師
JA吉田総合病院 中川達也技師、
広島市立舟入病院 中木龍夫技師
の3名が定年を迎えられ、花束贈呈が行われました。
これまで当会を支えてこられた3人の熱い思いが感動的でした。ほんとうに長い間お疲れ様でした。
今後も我々後輩のため、ご指導お願い致します。
昨年末行われた広島県細胞検査士会総会に関するアンケート報告が、羽原会長が報告されました。
アンケートに出された意見を基に、来年度総会の開催に向けて、今後役員で話し合う予定となりました。当会の運営のためには、会員みんなの協力が重要です。
何か意見がありましたらメーリングリストや近くの役員へ、お知らせください。
最後に特別講演では、広島大学病院 尾田三世 技師より
「どこに向かうの?乳腺細胞診」 と題して講演が行われました。
乳管内増殖性病変に焦点をあて、現在のカテゴリの説明や
鑑別病変について、詳細に説明していただきました。画像の進歩に伴い微小な病変が発見される中、増殖性病が、ますます増えると思われます。
特に、所謂「乳頭状」とは、組織学的には、間質を軸とする上皮性増殖を示しており、細胞診で表現する「乳頭状」とはニュアンスが異なっている事が、注目されていました。
金子先生からは、乳管内増殖性病変の組織学的な特徴を解説していただきました。
平坦型異型上皮の細胞像の検証の必要性など、新たな課題に皆さんも気の引き締まる思いだったのではないでしょうか。